【フィアットグループ】 新たなベンチマークとなる3代目パンダ登場。ランチアはクライスラーの各モデルを発表
クラスレスな革新性は不変。ツインエアのNA仕様も搭載
新型パンダは、自由な発想でクルマを使いこなすための新たな提案としている。パンダは時代を問わず、決まり切った型やファッション、あるいはクラス概念に とらわれない人々に支持され、先進的なコンセプトのクルマであった。新型もこれを踏襲し、構造的なシンプルを求めるという革新性を備えている。
3代目はさらに完成度を高め、快適性及び安全システムに関しては飛躍的な進化を遂げている。新しくモダンで、調和の取れた外観も与えられている。し かしカタチにとらわれない「やんちゃ」で好奇心あふれるスピリットは、パンダならではの持ち味としてきちんと採り入れられている。
ボディサイズは全長3650×全幅1640×全高1550mm。先代と比べて数cm単位の大型化をすることで、最高水準の安全性を実現。また、より 上級のカテゴリーのクルマにも匹敵する広々として機能的、かつ快適な空間を作り出している。定員の5名が快適に乗車できるだけでなく、このクラスでは最大 のラゲッジスペースも備えている。
また、パンダならではのフレキシブルな室内とされ、分割式のリヤシートはスライドも可能。フロントシートのシートバックは折りたたみ式のテーブルになるな ど、アイデアにもあふれている。また多数の収納コンパートメントを備えており、前席と後席の位置を自在にアレンジすることにより、室内をさらに自由にカス タマイズできるようになっている。
エクステリアには最新のトレンドが採り入れられ、スムーズで丸みを帯びたラインを組み合わせたスタイリングを実現。わずかにふくらんだボンネット が、水平方向に走るエレガントなグリルと丸みを帯びた新しいヘッドランプと融合し、ヘッドランプの下には、新たにデイライトが追加されている。ちなみに、 5ドアボディのみが設定されている。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リヤはトーションビーム式をレイアウトしている。搭載されるエンジンは0.9L/2気筒、 85psのツインエアターボと2気筒、65psの自然吸気のツインエアエンジンの2機種で、いずれもスタート&ストップを採用している。
また1.2Lのファイアエンジン、1.3LディーゼルのマルチジェットⅡも設定される。マルチジェット・ディーゼルは第2世代となり、8回の多段噴射が可能な最新直噴システムを持ち、スタート&ストップも装備している。
これら以外に、バイオ燃料に対応した80psのツインエアターボ Natural Power(ガソリン/メタン)と、1.2L/69psのEasy Power(ガソリン/LPG)エンジンも近い将来にラインアップされる予定だ。
また新型パンダには、ギヤシフトインジケーター(GSI)が装備され、ドライバーにエンジンの効率的な利用と燃費向上を促す。トランスミッションは 当初はMTのみで、後にデュアロジックAMTが追加される予定だ。また30km/h未満の速度域では障害物を検出し、自動ブレーキが可能な画期的なブレー キシステムも年末までに追加予定となっている。
駆動方式は当初FFのみだが、4WDも追加予定としている。また、4種類のエンジン、複数のインテリアや室内トリム、10色のボディカラー、14ま たは15インチかのホイールなどによる、合計600種類を超える組み合わせから選択できるワイドセレクションも特徴となっている。
パンダの開発プロジェクトでは、シティカークラスでリーダーであることを実証する性能を実現することがテーマとされていた。新型パンダを世に送り出 すために、ナポリ県ポミリアーノダルコにある「ジャンバッティスタ・ヴィーコ」工場には最新設備の生産ラインが設けられ、最終アッセンブリーラインには 603台のロボットが導入され、高精度な組立を目指している。
フィアットは、スーパーコンパクト・セグメントの水準を引き上げ、このセグメントのリーダーであることを狙っているとしている。スーパーコンパクト セグメントの歴史には、フィアットのシティカーが常に存在し、そして今また、パンダがリーダーの役を担うことになるだろう。新型パンダのヨーロッパでの発 売時期は2011年末と発表されている。
アルファロメオは「4Cコンセプト」を再び出展
アルファロメオはフランクフルトショーで、4Cコンセプトを再び登場させた。4Cコンセプトは今春のジュネーブショーで初公開され、2013年に市販スポーツカーとして発売が予定されている。
今回は新しくユニークなフルードメタル(Fluid Metal)色のボディカラーで塗装されている。鍛造加工によって鍛えられた金属板のような質感を持つ新しいボディカラーは、4Cコンセプトのデザインと 融合しており、流れる液体のような塗装色と車体のフォルムとが組み合わされることで、銀色に反射する光沢感が生まれ、このコンセプトカーが持つ力強さと技 術的な先進性を強調している。
このコンセプトカーはミッドシップ2シーターで後輪駆動のクーペというクラシックな手法を踏襲。全長は約4m、ホイールベース2.4m以下のサイズ とすることでコンパクトさと俊敏な走りを強調。優美でクリーンなラインが際立つエクステリアと同様に、室内にも優れたスポーツ性を率直に表現する機能・装 備を採用している。
また8Cコンペティツィオーネの技術や素材(カーボン、アルミニウム、後輪駆動)と、現在販売中のアルファロメオに導入している技術(1750ccガソリン直噴ターボエンジン、アルファTCT=乾式デュアルクラッチ・トランスミッション、アルファD.N.A.セレクター)を搭載。走りの楽しみを最大限実現するという基本思想や、アルファロメオならではのハンドリングもアピールポイントになっている。
今回の4Cコンセプトはボディにカーボンを多用して軽量化を実現。ボディは100%カーボン製とし、リヤフレーム構造部とクラッシュボックスにはアルミニウムを多用し、車重850kg以下と大幅な軽量化を達成している。カーボンはさらに構造面でも効果を発揮し、4kg/ps以下というパワーウェイトレシオにより俊敏性を実現している。
なお4Cコンセプトという名称は、最高出力200psオーバーの4気筒、1750cc、ガソリンターボエンジンを意味したもので、すでにジュリエッタ・クアドリフォリオヴェルデをはじめとする量産モデルに搭載されている。このエンジンには、直噴やデュアル連続可変バルブタイミング、ターボチャージャー、ターボラグを解消した革命的な排気制御システムといった最新技術を搭載したエンジンである。
エンジンのマウント位置はリヤ中央。出力は3Lエンジンと同等以上でありながら、燃費は小型4気筒エンジンならではの水準としている。トランスミッ ションはMiToとジュリエッタにも採用された新型オートマチックの「アルファ TCT」で、乾式のデュアルクラッチ・トランスミッションを採用している。このエンジンとトランスミッションの組み合わせにより、最高速度は 250km/hオーバー、0→100km/h加速は5秒以下という性能を持つ。もちろんアルファD.N.A.テクロノジーは採用している。
サスペンションは、フロントが4リンク式、リヤにストラット式を採用。このサスペンションレイアウトと後輪駆動、そして優れたパワーウェイトレシオがもたらす、アルファロメオならではの走りの喜びは前後重量配分40:60にもよるところが大きいだろう。
クライスラー200がランチア・フラビアとして出展
ランチアは新たな方向性を具体的に提示した。フィアット・グループは2008年以来クライスラーを支援して提携を結んでいるが、そのアライアンスの結果がカタチになる気配なのだ。
グループの一員であるランチアがその受け皿となっており、なんと! ランチア・ブランドでのクライスラー車が続々と登場。クライスラー200が「フラビ ア」、クライスラー300が「テーマ」、ミニバンのタウン&カントリーが「グランドボイジャー」として展示された。
もちろん従来からのBセグメントのイプシロン、Cセグメントのデルタは、フロントのグリルデザインなどを手直しして出展されていた。