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【読めるラジオ】第236回放送『フランクフルトモーターショー2011』


第236回


いつもに増して盛り上がったフランクフルト・モーターショー。その空気を現場から出前します!


 

岩貞:さて石井さん、今週は石井さんも現地に行ってきた、フランクフルト・モーターショーのお話をたっぷり伺いたいと思います。

 

石井:はい。

 

岩貞:モーターショーというと、世界初のモデルが発表されたり、新技術が公表されたりと、各メーカーの動向を知ることができるのですが、まず、改めてフランクフルト・モーターショーについて簡単に紹介いただけますか?

 

石井:世界5大モーターショーのひとつですね。ヨーロッパでは秋にパリとフランクフルト。これが隔年で交互(1年おき)に開催されるんですね。ドイツは自動車メーカーが多いじゃないですか。だから、このドイツのフランクフルト・モーターショーは、毎回盛り上がるんですよね。

 

岩貞:今年はドイツの年で凄く盛り上がっている?

 

石井:そうですね~!

 

岩貞:5大モーターショーってどこを言うんですか?

 

石井:アメリカのデトロイト、で、東京も一応入っています…。

 

岩貞:一応って(笑)

 

石井:規模は小さいですけれど、質がいいからですね。

 

岩貞:なるほど。

 

石井:あと、フランクフルトとパリ、ジュネーブです。

 

岩貞:毎年3月のジュネーブ?

 

石井:そうです。

 

岩貞:今回のフランクフルト・モーターショー、色々なメーカー(がそれぞれに)気合いが入っていると思うのですが、石井さんはどこに注目して取材に行かれたんですか?

 

石井:注目というよりも、一歩会場に入ったら、地元ドイツメーカーの景気の良さ !? はっきり言ってバブリーで、ちょっと今回は圧倒されちゃいましたね!

 

岩貞:そんなにバブリーなんですか !? 国産メーカーは3月(の震災)からの絡みもあって、いまひとつ…、というのもありますけど。

 

石井:日本のメーカーはちょっと元気がないですけれど、ドイツのメーカーは逆にユーロ安もあって、クルマも売れていますから、非常に好調なんですね。モーターショーっていうとホールが6個とか8個とかあって、その中に自動車メーカーのブースがある、というイメージじゃないですか?

 

岩貞:東京モーターショーが幕張で行われていた時は、3つくらいホールがあって(その中に各自動車メーカーのブースがありましたね)。

 

石井:フランクフルトの場合は、例えばメルセデス・ベンツが、ひとつのホールを独占するんです!

 

岩貞:すっごい広いっていう噂ですよね!

 

石井:そうですね。それと、立体的でもありますよね。3階分くらいまでフロアがあって、それを階段でつなげたり、クルマが実際に走れるコースでつなげたりしているわけなんですね。最初はメルセデスが1ホールを独占して、前回 はBMWがそれに対抗しました。今回はなんと! アウディが独自のホールを持ったんですね。

 

岩貞:もう我慢できなくなったと…(笑)

 

石井:ですが、ホールはもう余りがなかったんですよ。そこでアウディは、空いていた広場の一番良いところに、仮設でパビリオンみたいなものを建ててしまいました。

 

岩貞:(笑)造ってしまった?

 

石井:そうです。今回のためだけに2カ月くらいかけて造って、しかも外観は宇宙船みたいな感じで。すごいんですよ!

 

岩貞:気合いが入っていますね~。

 

石井:しかも中にドライビングコースまであるんですね。

 

岩貞:そんなに広いんですか !?

 

石井:はい、だからお客さんを乗せて試乗車を走らせているんですね。しかもコンセプトカーとか、スポーツカーのR8とかもバンバン走っているんで、見ていてもホント楽しいんですよね。

 

岩貞:楽しそうですよね~。行った人もすごく楽しめますよね。

 

石井:そうですね。エンタテインメント性も考えられていますね。

 

岩貞:ところで、注目のクルマというと、どの辺になりますか?

 

BMW i3コンセプト アウディ A2コンセプト

 

石井:まず、最近のモーターショーでは、EVとかハイブリッドは外せないですね。ただ、ここにきてEVは各社の市販モデルが見えてきて、出揃ったという気がします。BMWは「i」というサブブランドを立ち上げました。i(アイ)という名の付くモデルがEVやハイブリッドで(発売され)、今回はi3というEVを2013年に発売すると発表しました。

 

岩貞:本格的ですね~。

 

石井:そうですね。アウディのA2という新しいモデルもEVで出すと(発表しました)。これも2013年から2014年です。あとフォルクスワーゲンのup!(アップ)という注目車種なんですが、その中にe-up!(イーアップ)というやはり電気自動車バージョンがあって、これも2012年か2013年には発売です。だからもう見えちゃいましたね…。

 

岩貞:これからはドイツメーカーも、電気自動車でどんどん攻めて来るという感じになってきているんですか?

 

石井:そうですね。幅広いラインアップのひとつということですね。ひとつだけでは環境問題は解決しないので、ディーゼルあり、ガソリンの高効率あり、燃料電池あり、EVあり、ハイブリッドあり、というところですね。

 

岩貞:ハイブリッド系の開発というのも進んでいるんですか?

 

石井:そうですね。ディーゼルハイブリッドというのが出始めましたね。

 

岩貞:ついに!

 

石井:最近のハイテクなディーゼルというのは(コストが)高いんですよね。それに高いハイブリッドを付けるんで(車両自体の価格が)、ちょっと高いのが心配なんですが、効率は相当いいでしょうね。それをシトロエンがやっているんですよ!

 

岩貞:ドイツのメーカーではなく?

 

石井:はい、プジョー・シトロエンがやっているんです。今回DS5という来年くらいに発売されるクルマなんですけれど、これがカッコよくて! ボクは一番欲しくなりました!!

 

岩貞:それは技術的にも環境にもいいのに加えて、格好もいい?

 

石井:とんでもなくいいんですね! ちょっとこれは日本では出せないデザインだなと…。インテリアもカッコよかったですね~!! あとハイブリッドで注目なのは、先ほど言ったBMWのiシリーズの「i8(アイエイト)」というやつですね。これは、今まで「エフィシェント・スポーツ」という名前で出ていたコンセプトカーなんですけれども、本格的なスポーツカーみたいです。

 

岩貞:速そうですか?

 

石井:相当速そうです! でもプラグインハイブリッドになっていて、環境性能も高いというモデルですね。

 

シトロエン DS5 BMW i8コンセプ

 

岩貞:石井さん、プレスデーは2日間(行かれていたんですか)?

 

石井:そうですね。フルに取材したんですけれど、全部は見られていないと思います。今回、会場でも音声レポートを録ってきていますんで、まずはそれを聞いていただきましょうか。

 

岩貞:はい。

 

 

【音声レポート】


「今日はフランクフルトモーターショーに来ています。とにかく会場が広くて、歩いてはとても回りきれません。会場内にシャトルバスがあるんで、それを利用しながら回ってみますけれども、2日間では全部見きれないですね。やはり今回一番注目なのは、ボクはフォルクスワーゲンのup!なんじゃないかと思っています。ポロよりも小さなコンパクトカー。昔ルポというクルマがありましたけれども、これの後継と言ってもいいのかもしれません。ただ、単なる後継車というよりも、新しいシティコミューターを作りたい…、そんな意気込みが感じられます」

 

「今度はポルシェブースにやってきました。注目はなんといっても911です。プレスデー初日は1台しか展示がなくて、人が多くて近づけなかったんですが、今日は一気に4台に増えまして、なんとか近くで見ることができます。印象としてさほど大きくなっていない。噂では大型化して、911らしくなくなるんじゃないかというふうに言われていましたが、特にボディサイズ、横幅はほとんど一緒ですし、全長もちょっと伸びているくらいです。ホイールベースが100mmほど伸びていますが、これも居住性を意識したというよりも、19インチや20インチという大径のタイヤを収めて、ホイールハウスなどの整合性を高める措置ではないかと思います。各部のディテールなんかも含めて、これまでのポルシェユーザーの期待を裏切らない。あんまり大きくいじらないできましたね。目立つのはやはりタイヤがデカいな、ということぐらいでしょうか。おそらく乗れば相当良くなっていると思うんですが、ひとまず見て安心したなと…、大きくならなくて良かったと…、いうところです」

 

フォルクスワーゲン「up!」 ポルシェ 911

 

岩貞:石井昌道さんによるフランクフルトモーターショーの音声レポートをお聴きいただきました。石井さん…心なしか(レポート中)「ハァハァ」していませんか!?

 

石井:そうなんですよ(笑)。忙しくて駆けずり回っているんで、音声レポート録る時も歩いているんですね。

 

岩貞:なるほど、歩きながら(笑)で人混みもすごいんで、それも大変ですよね。

 

石井:そうですね。特に911の周りはすごかったです。

 

岩貞:そうですか(笑)今回、音声レポートの中でもフォルクスワーゲンのup!とポルシェ911の2台を取り上げいただいたんですが、やはり注目の2台ですか?

 

石井:そうですね、up!は、来年中には日本にも入ってきそうなんですけど、今のポロより当然、価格は下になると思います。

 

岩貞:もっとコンパクトな?

 

石井:そうですね。あと今回、面白かったのは、すでに6台のコンセプトカーがあるんですね。

 

岩貞:up!に?

 

石井:はい。普通のクルマは3ドアですよね。クロスup!というのが5ドアだったり、GT up!というスポーツモデルがあったり、バギーup!という海岸線を走るようなクルマもありました。楽しげな雰囲気が出ていて、単なるコンパクトカーじゃないですよね。

 

岩貞:あと、911の方は力の入ったレポートになっていましたけれど。

 

石井:そうですね、やはり911ってみんな注目しますよね。今度のモデルチェンジで良くなるのか?それとも魂が抜けてしまうんじゃないかと、色々な論争が巻き起こります。今回ホイールベールが100mm伸びているのが注目で、もしかしたら、ボクはエンジン周りのスペースが増えているんじゃないかと思うんですよ。

 

岩貞:そのココロは?

 

石井:もしかしたらハイブリッド化もあるんじゃないかと…。

 

岩貞:ついに911もハイブリッド化!?

 

石井:そうですね。それか、フラット6というエンジンをやめて、V8などのデカいエンジンを積むとか、色々な予想ができます。このあたりも、これからポルシェフリークの人たちが、色々予想しあって、楽しんでいくことになると思います。

 

岩貞:そういう予想の会話が楽しいですよね。

 

石井:そうですね。「ファミレスで口(クチ)プロレス」と言います。こういうの(笑)

 

岩貞:(笑)あと、注目のクルマというと、どのあたりになりますか?

 

石井:そうですね。ボクはカッコいいなと思ったのが、ジャガーのC-X16.新しいスポーツカーなんですけれど、今あるXKよりは少しコンパクトになっています。昔、ジャガーEタイプというクルマがあったのをご存知ですか?

 

岩貞:はい。

 

石井:ボンネットが長くて非常に美しいスポーツカーだったんですけれども、この再来という感じがしますね。ジャガーは今、シャシー、エンジン、ミッションはすごくフィーリングはいいんだけれど、燃費にはそんなに気をつかっていなかったんですね。ただ、このCX16はハイブリッドになっていますんで、環境性能もイマドキな感じです。

 

ジャガー C-X16

 

岩貞:そうですか。他にはどんな感じで?

 

石井:メルセデス・ベンツのBクラスですね。今までちょっと背の高い変わったコンパクトカーだったんですが、これが普通に背の低い、ライバルたちとガチンコの勝負になるようなクルマになりました。

 

岩貞:なるほど、ということはコンパクトカーというと、日本でも話題になりそうな感じなんですが、それに対抗して日本車というのは、どんな感じでしたか?

 

石井:ブースとしてドイツ勢に負けている感じはあるんですが…、クルマはかなり良かったですよ!

 

岩貞:そうですか!

 

マツダ CX-5 スバル BRZ

 

石井:マツダCX5とか、レクサスGS、ホンダのヨーロッパ向けシビック、スバルBRZ、このあたり開発責任者の方にお話を聞いてきたんですけど、皆さん自信持っているんですよ。ボクがビックリするぐらい…。

 

岩貞:(笑)今、石井さんの目がすご~く真剣になっています。

 

石井:「そんなに言うなら早く乗せて!」っていう感じなんですが、もしそれがホントだったら、ここんとこ日本車って少し元気がなかったんですけれども、復活の兆し !? 明るい未来が見える気がするんですよ。

 

岩貞:いいですね~。日本勢が元気なのはホント嬉しいと思います。

 

岩貞:石井さん…。先ほど、最後の方で日本車が元気があるということで(おっしゃっていましたが)、すごく期待をしているんですが。今年は12月3日の土曜日から東京モーターショーもありますしね。

 

石井:そうですね。トヨタFT86、この新しいFRスポーツですね。いよいよ市販モデルがデビューしますんで。

 

岩貞:楽しみです!

 

トヨタ FT86 IIコンセプト

 

石井:これはみんな楽しみに見に行くと思います。このFT86というのはスバルBRZと共同開発なんですが、先ほどフランクフルトモーターショーで開発責任者の方にお話を伺ったと言ったんですけれども、スバルの水平対向エンジン…これって重心がすごく低いんですよ。ボンネットも低くできるので、この効果によるハンドリング。これに自信を持っているんですね。

 

岩貞:なるほど。

 

石井:「あんまり飛ばさなくても気持ち良いぞ!」って言っていました。

 

岩貞:それは日本で乗るには、すごくいいかもしれません。

 

石井:そうですね。ちょっと大人な雰囲気もありますよね。

 

岩貞:これは東京モーターショーで見られる?

 

石井:はい。

 

岩貞:今年は場所が変わって東京ビッグサイトでの開催になりますので、皆さん、ぜひ足を運んでみてください。

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