第226回放送『シトロエン C4』
第226回
しなやかな乗り味、デザインセンスの良さがシトロエンの魅力
岩貞:さて、桂さん、今週はシトロエンC4ですけど。
桂:フルモデルチェンジしました。
岩貞:シトロエンというとどういう感じのクルマをイメージすればいいですか?
桂:例えば、毛足の長いじゅうたんの上を歩いていくと、フカァっとした感じがありますよね?そういうイメージをボクはずっと持っていますね。
岩貞:シートもクッション性がいいですよね?
桂:そうですね、サスペンションもシートもいいですね。でも、例えば、こんな風にウインカーの音を変えたり、照明の色を変えたり、空調の香を変えられたり・・・
岩貞:アロマ系のいろんな匂いをエアコンの通風口から出すというのも、フランス車はお得意ですよね。
桂:シトロエンは前からやっていますよね。
岩貞:こういう、いろいろ面白いことをやってくるのがシトロエン!
桂:そうですね。
岩貞:ドイツ的なものとは違う雰囲気がありますよね。
桂: なんかホワッとした感じがあって、それに独特のデザインがあって、ひと頃は、ドイツの方向を向いているかな?という時期があったんですけど、最近は奇抜な フロントマスクだったのを戻してきて、シトロエンといえば、WシェブロンというVをひっくりかえしたようなグリルのマークがあるんですが、その形状も滑ら かなデザインに変わったし、マスクもライトの使い方も含め、シトロエンらしい柔らかい感じに戻ったのが凄くいいですね。
桂: 実は、ボクはC5というこのC4よりひとつ上のクラスのワゴンを買おうかな? って思ったときがあって、それぐらいデザインが気に入ったのと、サスペン ションもハイドロっていう本当にフワッとした乗り心地があったので、いいなと思って買うところまでいったんですよ。だけど2センチ足んない・・・
岩貞:何に?
桂:ウチの駐車場
岩貞:笑
桂:シャッター閉まんなくなっちゃうですよ。
岩貞:それはダメでしたね。
桂:いちいち入れる度にぶつけるわけにはいかないしね。泣く泣く、あきらめました。
岩貞:今回C4のフルモデルチェンジですが、ライバルはどのあたりと考えたらいいですか?
桂:Cセグメントという言い方をしますが、ここにはでっかい柱としてゴルフがあるんですね。
岩貞:キングゴルフですね。
桂:日本車でいうとカローラですとかシビックになる。
岩貞:ちょっと雰囲気が違いますけど(笑)
桂:クラス的にはそのクラスなんですね。ただ、欧州車は衝突安全の影響で全長はそれほど変わっていないんですけど、横幅が広がって、ゴルフもプジョーの308もそうだし、ルノーのルーテシア、イタリア系でもいっぱいありますが、そのアタリになりますね。
岩貞:それに対してどうやったらシトロエンC4は戦っていけるんですか?
桂:ですから、シトロエンといえば、という部分でそのフワッとした乗り味だとかデザイン的なところとか、そこで勝負だと思いますね。
岩貞:日本人に受け入れられそうですか?
桂:うん、個性としてカチッとしたのが好きな人はドイツ車に行くでしょうけど、おしゃれ感覚でクルマ選びをしたい人は十分刺さるんじゃないですかね?
岩貞:でも、桂さん、先ほど日本に向いていないところがあると仰ってましたけど。
桂: あ!もう言っちゃっていい?そこ! エントリーモデルは1.6LのNAエンジンなんですけど、それに組み合わされるのが4速ATなんですね。この時代に 4ATなんです! で、フランス車は他社も含め、4速なんですけど1.6Lでパワーがあまりないモデルだからこそ、多段化をしてエンジンの非力な部分を 補ってくれないといけないので、日本にはATがあればいいだろうという感覚で送られてきても困るんですよね。
岩貞:なるほどね。今回のフルモデルチェンで出てきたのが、4ATと6EGSというのがありますけど、なんで4速なんだ!と。桂さんは怒っているんだぞ!と。
桂:怒っちゃいないけど、まぁ、怒っているか。(笑)
岩貞:どこを怒っているのか、詳しく教えてください。(笑)
桂:そんなに怒っちゃいないけど。C4というのはファミリーセダンなんですけど、スタイリングで言うとリヤがハッチゲートの5ドア。
岩貞:5ドアハッチということですね。
桂:それでエンジンとして1.6LのNAに4速ATを組み合わせたのがセダクションというグレードです。もう一方が1.6Lターボで6速のEGSというやつで、シングルクラッチを電子制御でコントロールする。
岩貞:欧州のクルマたちが大好きなタイプですね?
桂:ヨーロッパ人が好きなんですね。
岩貞:で、こちらがエクシクルーシブというグレードになるわけですね。
桂:そうです。正解!
岩貞:どのあたりが変わってきたんでしょうか?
桂:デザイン的なことはさっき話ましたけど、ステアリングがごく一般的なものに。従来はステアリングのセンター部分がまわらないで、ずっとその位置にとどまっていた。
岩貞:周りだけがまわっていた。手で握るところだけがまわっていた?
桂:非常にお金も、重量もおもくなることを止めて、普通のハンドルにしたんですね。
岩貞:それで、乗り心地は変わったんですか?
桂:いや、それは変わらないです。より一般的になったので、ちょっとシトロエンらしさが薄くなったかな? という気がします。
岩貞:セダクションについてですが、なんで4ATなんだ? と。もうちょっと日本のことを考えろということですか?
桂:これはうまい人が乗って上手に使えるんですけど、例えば、高速道路の合流のとき、うまくその車速に持っていけないところがあるので、そこが4ATだとちょっとトロい。
岩貞:とろい!(笑)出ました(笑)
桂:日本に合ったATを入れてもらいたい。
岩貞:それでエクシクルーシブはどうなんですか?
桂:こちらはターボで156psもありますから、それだけで十分なんですね。
【音声レポート】
エクシクルーシブに乗り換えました。このクルマは156ps、24.5kgmもう、ぜんぜん、踏んだ瞬間から別なクルマか? ぐらい違います。それと、ロールの仕方も抑えられているなという感じはするんですけど、シトロエンらしい柔らかさを感じますね。ぜんぜんいいなぁ。
あ と、いま、路面が濡れているんですが、さすがターボだけあって、コーナリングの旋回中からアクセルをジワッと踏んでいくと少しホイールスピンをしながら若 干のアンダーステアで、外に膨らんでいこうとするんですけど、そこを実にうま〜く車両安定装置が利いて、クルマを失速させず、つまり制御が働いて、止める 動きではなくて前に走らせよう、走らせようという動きなので、そこは凄く緻密に、繊細にできていていいなぁと思いました。
岩貞:はい、桂さんのエクシクルーシブの音声レポートをお聞きいただきました。同じクルマなのにグレードによって評価真っ二つですね?
桂:クルマって、エンジンによってかわるんだな!という見本のようなことですかね。
岩貞:サスペンションとかロールの仕方とか、それはグレードによって違うんですか?
桂: エクシクルーシブは17インチを履いているので、それにあわせたサスペンションのチューニングだとか、もともとパワーもあるので、それにあわせてダンパー を代えているとかは予測できるんですけども、旋回中のクルマの姿勢とかが非常に安定志向にまとまっているというのがありましたね。
岩貞:セダクションのほうはそうでもない?
桂: セダクションは本来タイヤサイズが小さいはずなのに、ボクが乗った試乗車はなぜかエクシクルーシブと同じ17インチを履いていて、どうしてそうなる?なん でもボクだとスポーツ系になっちゃうので、・・・。でセダクションはよりシトロエンらしいまろやかな乗り味になっているはずです。
岩貞:桂さん的には新型C4選ぶならどちらを選びますか?
桂:もちろんエクシクルーシブでしょう。