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第222回放送『VW パサート・バリアント』


第222回


多くの部分でサプライズ! 驚きの連続がある
新型VWパサート&バリアント

 

岩貞:さて、石井さん、今週の話題はフォルクスワーゲンのパサートとパサートバリアントです。この2台がフルモデルチェンジしましたね。

 

石井:いろんな意味で、サプライズ、驚きのクルマなんです。

 

岩貞:パサートというと、イメージが沸きにくい気がするんです・・・・・・

 

石井:ミドサイズのセダン、ワゴンですからベンツでいうとCクラス、BMWだと3シリーズなどと同じクラスです。ただ、VWというとゴルフのイメージが強いんですが、パサートというとみなさん、地味なイメージを持っているのかな? と思います。

 

岩貞:ライバルがしっかりとしたキャラクターを持っているのに対し、パサートのなんとなくキャラクターがハッキリしないような印象をずっと持っているんですけども・・・・・・

 

石井: ただ、僕らからみると価格はメルセデスより抑えられているし、そのわりには内容も良くいいクルマだよ、という認識はあります。だから、これぐらいの値段で いいクルマない? といわれたときに、おすすめしたりしていたんですが、逆にツウなクルマになりすぎていたという気もしますね。

 

岩貞:ツウな方に印象を聞くと、凄くいいということは聞くんですが、どうしても輸入車の場合、見栄とか、押し出しが強いのが欲しいというのがあるので、何に乗っているの?って聞かれたときに、パサートっていうと えっ?っていう感じがしていました。

 

石井:ま、パサートよりゴルフと言ったほうが、その人のキャラが立ちますよね。不思議なことに。

 

岩貞:それで、今回フルモデルチェンジをしました。

 

石井:これだけ内容がすさまじくいいとですね、イメージガラッと変わると思いますね。

 

岩貞:すさまじくいい? ではその一番いい部分からお聞きしたいのですが・・・・・・

 

石井:はい。一番いい、そして驚きはですね、ミドサイズクラスでなんと1.4Lエンジンなんです。

 

岩貞:ありえない。普通1.4Lというと、そんなちっちゃなエンジン?って思われますよね?

 

石井: 今までは2.0Lぐらいで最低の排気量かな? というイメージですけども、今回は1.4Lにしました。これはVW、また欧州の多くのメーカーが進めている ダウンサイジングコンセプトの際たるものだと言っていいでしょうね。排気量を小さくして、燃費をよくし、でも、ターボなどの過給器でパフォーマンスは維持 するという考え方です。

 

岩貞:ということは燃費が良くなっている。

 

石井:良くなっているんですよ。これが第2の驚き。カタログ燃費ですけども18.4km/Lです。

 

岩貞:冒頭ででましたが、カタログ燃費ですよね?

 

石井:そうですね。でもカタログとしても驚きです。

 

岩貞:18.4km/Lですもんね。

石井・18.4km/Lですよ。ゴルフが17km/Lぐらいですよね?

 

岩貞:今数字が手元にでてきて16.4km/Lです。

 

石井:あ!すみまません1.2Lのほうの燃費でしたね。

 

岩貞:ということは、車格的にパサートは上ですし、使っている鉄も多いから重いわけですよね。

 

石井:ゴルフの1290kgに対してパサートは1430kg。これで燃費が良くなるはずがありません。

 

岩貞:けれどよくなっている。

 

石井: エンジン、トランスミッションは一緒でよくなる要素としてはアイドリングストップがついている。それと減速時のエネルギーを回収してバッテリーを充電する システムがあるんですが、それもついていると。というのでよくなるんですが、取り分って良くて10%というレベルなんですね。ですからよくてゴルフに並ぶ くらいかな? と思っていたんですけども、大きくうわまわってきたということです。

 

岩貞:え?それってどういうことですか?

 

石井:それがですね、一応、ボクも燃費に関して詳しいほうなんですけども、説明つきません(笑)

 

岩貞:プロフェッサー頑張って!

 

石井: ですから日々進化しているということでしょうね。きっと。VWって開発の手を休めないんですね。新車が出て2年目になると、凄く良くなっていて、ここを変 えました、というアナウンスがなくて良くなっているので、燃費に関しては、どんどん、どんどん改良しているんだと思います。ですから駆動系、ギヤなどの走 行抵抗を減らしたりということもやっているんじゃないかな? と思ってます。

 

岩貞:要は、機械がいろいろ組み合わさっているので、その動くときの摩擦とかいったものが抵抗となって、走行抵抗となって燃費が悪化する要素になっている。

 

石井:そうですね。それは避けられないんですが、どこまで減らせるか?

 

岩貞:う〜ん。あとデザインも随分変わりましたね。

 

石井:いいですよね。地味だといっていたのはデザインも大きいと思うのですが、今のVWって、あまり偉そうなデザインではないですよね?

 

岩貞:しっとりとした落ち着きのあるデザインですよね。

 

石井: 数年前までは、もっと押し出しの強いデザインが好まれていたんですが、今、この環境の時代とかになってもっと清潔感とか、クリーンとかが好まれるように なってきました。VWはそこにいち早く手を打ちまして、ゴルフも凄くいいクルマですが、押し出しはそれほど強くないじゃないですか。それが今、時代にバッ チリあっている。パサートもこの路線できましたね。

 

岩貞:ということは時代がパサートに追いついてきた。

 

石井:かっこよくいうと、そういうことだと思います。

 

岩貞:ところで、実際に乗ってみていかがでしたか?

 

石井:1.4Lとは思えなかったですね。普通に乗れたし、むしろ速いかなと思います。

 

岩貞:ということですので、早速音声レポートをお聞きください。

 

 

【音声レポート】

 

石井: 今、発進したんですが、DSGのクラッチ制御もかなりスムーズですね。もう60kmまで出ていますが、普通に街中を走っていくと、なんとエンジン回転は 2000rpm超えないですね。まったく1.4Lというイメージがないですね。本当に普通の2.0Lエンジンより力強いんじゃないかというぐらい、頼もし く走ってくれます。

さ、今度はワインディングにきました。上り区間なので、パワー的には厳しいかと思いますが、こうやってまわしてあげればそれなりに登っていきます。十分ですね。

ここは道が荒れていて、サスペンションの良し悪しも問われるところですが、かなり、安心して走れるタイプですね。リヤが落ち着いていて、スピンしそうなイメージはないですし、その割には、ノーズもハンドルを切っていくと素直に入っていくという感じです。

ゴルフで感じた衝撃的な印象、それはパサートにも現れています。

 

岩貞:はい、音声レポートをお聞きいただきました。非常に軽く軽快な走りっぷりとお見受けしましたが。

 

石井:1.4Lの直噴ターボというエンジンですが、ダウンサイジングコンセプトにすると、みんな低回転で大きな力を出すようにしているんですね。だから、エンジンをまわさなくてもよく走ってくれる。

 

岩貞:最大トルクが1500rpmとかその変ですよね。

 

石井:今までは3000rpm、4000rpmまわさないと一番おいしいところにならなかったんですが、こういったエンジンはみんな低回転を使わせるようにしています。

 

岩貞:1500rpmというとアクセルをチョンと踏んだ感じですか。

 

石井:はい。もうどんどんシフトアップしていっちゃって、いつの間にか6速とか7速とかに入っちゃいますよね。

 

岩貞:で、1.4Lとは思えないほどのパワフル感。

 

石井:ただ、思いっきりまわしたときには、やっぱり大排気量ではないな、とは感じちゃいますけど、ただ、トータルでみて、これだけの排気量で、これだけ走らせちゃうのは凄いなというのを感じます。

 

岩貞:そして、それが燃費にもの凄く効いているということですよね?

 

石井:効いてます。今回の試乗では 燃費を計っていないんですけど、実は雑誌の取材などで試しています。それで高速道路で、ビッツとかフィットというあのクラスとほぼ同じくらい走っちゃいます。

 

岩貞:それはどうしてですか?

 

石井:そのあたりの速度域が一番強いからでしょうね。

 

岩貞:なるほど。エンジン回転数を上げずに巡航できるというのがメリットということですか。

 

石井: そうですね。100km/hだとだいたい2000pmぐらいですね。小さい車、小さいエンジンで直噴ターボとかではない普通のエンジンですと、もう少しエ ンジンをまわしたりするんですね。パワーが必要になるので。そこで燃費が悪化気味になる、パサートはそこが強いという差があると思います。

 

岩貞:では、高速移動の多い方には最高ですね。

 

石井:最高ですね。最近までは、低速域の燃費はそれほど良くもなかったのですが、アイドリングストップがついたので、燃費が良くなっていますし、あと、ゴルフもそうですが、静粛性、高級感といたものが、凄まじくいいですね。

 

岩貞:それは、このクラスのセダン、ワゴンには見逃せないポイントですよね。

 

石井:以前の欧州車はあまり音に対しては拘っていなかったんですね。日本車のほうが静かだと言われていたんです。しかし、最近はガンガン、音をやってきてクラウンと比べえ見てもぜんぜん遜色ないですね。

 

岩貞:ハンドリングについてはいかがですか?

 

石井:十分楽しめます。いい走りをしてくれます。ただ、ライバルCクラス、3シリーズはFRですから、このクルマはFFです。その差はやはりあるんですね。本当に運転が好きな人が乗るとFRって気持ちいいな、っていうほんのチョットしたことなんですけどね。それはありますね。

 

岩貞:ライバル比較というと価格というのも大きなポイントになる気もしますが。

 

石井:そうですね、今回パサートは324万円から。

 

岩貞:う〜ん。このクラスのライバルと比較すると非常に戦略的というか。

 

石井:そうですね。お買い得感はありますね。ま、メルセデスのCクラスが399万円からで、これもかなりお得かなという気もしますが、まぁ、70万円ぐらいの差はありますからね。

 

岩貞:で、燃費がいいから走れば走るほど・・・・・・

 

石井:ま〜そうですね。シビアに言えばそうですが・・・・・・

 

岩貞:あとは楽しみを取っていくのか、乗り心地や燃費を取っていくのか? ということになますか?

 

石井:乗り心地に関してはライバルたちもすばらしくいいです。ちょっとした走りのよさはFR勢がいい。でもFFのほうが室内は広かったりするんですよ。なので、後席をよく使う人はパサートがいいでしょうね。

 

 

岩貞:なるほど。これまで、ただ地味なセダンだと思っていたのが、すごくいいクルマに思えてきて、まるで石井さんがVWの人のように思えてきたんですけど(笑)

 

石井:そうですね、全然、悪口を言ってませんでしたね。でもゴルフやポロって衝撃的に良かったじゃないですか。そ良さがちゃんとパサートも受け継いでいるなと思いますね。だから、人によっては大きなゴルフとしか思えないという人もいるかもしれません。

 

岩貞:凄くVWのダウンサイジングの戦略がどんどん浸透してきているな、と感じますね。

 

石井:これだけVWのクルマがどんどんよくなっているのは実は、世界一を狙っているからなんですね。【ストラテジ2018】というのがありまして、2018年までに販売台数で世界一になる。いまはトヨタGM、VWなんですね。これhを1000万台超えで世界一を狙うと。

 

岩貞:着々と進めている。そういえばスズキとの業務提携をしましたよね。

 

石井:今は商品力をあげていく、エコのイメージが良くないとダメだなーと。ということで燃費も一生懸命やっていますし、品質の良さ、などもやっていますね。

 

岩貞:やはり1位を狙う会社というのは勢いがありますね?

 

石井:そうですね。数が多ければ多いほどいいというもんじゃないですね。やっぱり、ある目標に向かって成長して、右肩上がりに成長していく、その段階にあるクルマというのは楽しいですし、いいですよね。

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