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【ここだけの話】JAIA輸入車組合の試乗会 



毎年恒例のJAIA試乗会が今年も大磯で開催され、松本編集長と番組のDJえみり、そして自分高橋の3人で参加してきた。このJAIA試乗会と言うのは、平たく言えば国内に外車を輸入しているインポーター及び、海外メーカーの日本支社が一同に集まって、専門のジャーナリストを呼び、試乗するという試乗会。

乗れるのは1社5台までと決まっていて、1台の試乗時間は基本90分。人気の高いモデルで試乗希望が殺到したような場合は、45分に縮められるか、或いは、試乗希望が却下されることもある。「ザ・モーターウィークリー」として試乗希望を出した5台は、ミニのジョン・クーパー・ワークス、ランボルギーニ・ガヤルド、クライスラー・グランド・チェロキー、VWポロのハイライン、同じくゴルフGTIである。

これは、乗り損ねて試乗していなかったモデルやVWのポロ、ゴルフのように、Bセグメント、Cセグメントのベンチマークで、常に比較の対象として引き合いに出されるモデルだから再確認、そして身体に刷り込んでおく、という意味も含めてオーダーをしておいた。また、ランボルギーニはこれまで試乗したことがなく、一度は経験しておかなければ、この手のクルマの話になったときに、指を咥えているだけになってしまうからだ。なにはともあれ、希望がとおって良かった。

ジョンクーパーワークス

最初に乗ったのがジョン・クーパー・ワークスのオープンモデルでキャンバストップ仕様。

JKW

Jhon Cooper Worksのカブリオレモデル。寒い時期のオープンは気持ちいいというが間違いなく寒い

「編集長、どこへいきます?」

「西湘バイパスを通って、箱根ターンパイク、大観山を経由して箱根新道で下り、再び西湘バイパスで戻ってくるルートだろうな」

「そうですね、高速やワインディングもイケるし、撮影もできるスペースがありますからね。最初は編集長乗ってください」

ドライバーが編集長、助手席に自分、後席にDJえみりのと3人で乗り込み、さっそく出発。

「なんか振動が凄くないですか、編集長? こういうのをスカットルシェイクっていうんですかね?」

「スカットルシェイクはおもに、フロントからのブルブルする振動の時に使う言葉で、こういう全体がブルブルしているときには使わない。まぁ、これはバイブレーションだよ」

「えみりちゃん、後席もブルブルしてる?」

「はい、してますね。でもエンジンの音とか、シャキシャキした動きをしているから、こんなものかと思ってましたけど、この振動はないほうがいいです」

「そりゃ、そうだよ。でもBMWが造れないわけではないから、敢えてこうした造りにしているんだろうな」

「それはどういうことですか?」

「昔のミニ・クーパーとかはこうした振動も出たし、ハンドリングもスパッと動いて過敏なハンドリングだった。サスも硬くてギャップではクルマが横っ跳びしてしまうくらいに。でもミニが好きな人というのは、そういうのが好きで、それをスポーツマインドと捉えて人気があったんだよ」

「なるほど、そうなんですね」

藤本えみり

なんで手を上げるのかDJえみり。はい!

「だから、ジョン・クーパーモデルには、昔のイメージを狙ったんだろうな。普通のミニとかクーパーSとかはこんな振動は皆無だよ」

「へ~そう言われてみれば、MINIではそんな印象はなかったですね。ハンドリングは特徴的でしたけど」

ってな会話をしながら箱根ターンパイクに入り、撮影しワインディングを走る。

「えみりちゃん、運転してみる?」

「はい。ルックスは凄く可愛いし、内装も素敵ですよね。ぜひ運転させてください」

「どうぞ、どうぞ」

「では、スタートします」とえみり。

ぐぉ~とスタートした瞬間

「きゃ!なんだか怖いクルマ」

「え?何が」とオレ。

「なんかクルマがすぐ、あっちこっちに動いて、スピード出すと怖いです」

「あ~ハンドルが過敏に反応しすぎるからだよ」と松本編集長。

「ゆっくり、丁寧に操作しないとなんですね、男と一緒で(笑)」

「分かってるじゃん、ハッハッハッ」と少し顔を赤くして笑う編集長。実はシモネタが下手な純粋なオジサンなのだ。

インカー

マニュアルも問題ないDJえみり

途中、路肩の雪が張り出していて、対向車とすれ違うには、少し狭く感じる箇所があり、運悪く、そこで一般の対向車とすれ違った。

「ごめんなさい、怖い思いをさせて」

「大丈夫。別にぶつかったわけでもないし。ま、できれば、先を読む運転がもっと上手になるといいという程度の話だよ」と声を震わせながら余裕で語るオレ。

この一件ですっかりビビってしまったえみりちゃん、制限速度を大きく下回る速度しか出さなくなった。

「そんなに低速ではしらなくても大丈夫だよ」と若い女にはめちゃめちゃ優しい編集長。

「いえ、でもまた、対向車きたら怖いし」

「たまたま、あそこだけ道幅が狭かっただけで、ほら、この先はず~っと広いでしょ」と鼻の下が長い。

山頂に到着。

大観山山頂にてドライバー交代し、オレがドライブ。

「あ~なるほど、確かに過敏に反応しますね。でもシフトフィールやアクセルレスポンスはいいから、楽しいっすね。パワーも申し分ないほどあるし」

インテリア

「PSAの1.6Lエンジンをハイブーストにチューンしてあるからな」

「あのおそろしく汎用性の高いエンジンですよね。シトロエンもプジョーもMINIも積んでるヤツですね。これがあのエンジンと同じとはとても思えませんね。凄くレスポンス良くて気持いいっす」

ガヤルド初試乗

ランボルギーニ ガヤルド

ランボルギーニ ガヤルド V10エンジンにしびれた

などという会話をしながら西湘バイパスでもどり、次はランボルギーニ・ガヤルドに試乗。

メーカーの人に取説を簡単に受ける。なんせ、初試乗のオレ。

「ガヤルドはよくご存知ですか?」と担当者。

「いえ、初めて乗ります」

「鍵は通常と同じで、キーを回してエンジン掛けます。ギヤのニュートラルは左右のパドルを同時に手前に引くとニュートラルになります。バックは左側のダッシュボードにあるRボタンを押すとバックに入ります。あと、センターコンソールのCORSAボタンを押すとクイックにシフトするスポーツモードになります。あと、他の操作で特殊なものはありません」

インテリア

ガヤルドのインテリア トリコロールのデザインがキザでいい

「ありがとうございます。ではお借りします」

すると、DJえみりが。

「すごい、カッコイイ。スーパーカーらしい格好ですよね?エンジン音とか凄いいい」

とはしゃぎつつ写真を撮り始めた。

「運転席に座った写真、撮ってもいいですか?」もちろん、いいのだが「もし私が運転して何かあったらマネージャーのクビ飛びます。真剣に『止めなさい』というマネージャーの顔が浮かびます」と残念と思いながらも少しビビりがあるようだ。

 

画やる祖

すみません、オレの影が・・・

「これ時間がないから箱根までは行かないで西湘バイパスの往復だね。ワインディングも走ってみたいけど、またの機会もあるだろうし」とオレ。

すると編集長が

「気をつけてな。覆面がいっぱいいるらしいから」と弱者が権力に立ち向かうときの団結心的アドバイスを受けつつ、キーでクランキングしてみる。

「ぐぉ~ん」という音とともに、気持ちよく軽快にかかる。ブリッピングは3000rpmあたりまでしか回らない制御がされている。右のパドルをワンクリックして、ローギヤにシフトが入る。ほんの少しギヤが噛んだ感触が伝わる。雰囲気いい。ゆっくりと走りだしていざ、西湘バイパスへ。

どんな走り方をしたのかはご想像にお任せだが、とにかくV10型 エンジンがこれだけ気持ちよく官能的なサウンドを奏でるのかと感心ばかりだったのだ。シフトはシングルクラッチなのに実に滑らか。しまった!えみりの感想聞くの忘れた・・・官能的なクルマに出会うとオンナどころでなくなるという話は本当かも・・・

V10リバース

↑官能的なV10サウンドがいい。右の写真、Rのボタンがバックギヤを意味する。イタリア人はバックしない。

ガヤルドガヤルド インテリア

グランドチェロキー

 

グランドチェロキー

DJえみりはチェロキーオーナー。グラチェロもお気に入りに

次に乗るのはグランドチェロキー。するとえみりが

「未来の弟君ね。楽しみ。新しいけど、私のガンコ(98年式チェロキーオーナー)に共通する雰囲気ありますね」なんて少し嬉しそう。

なので最初のドライバーはチェロキーオーナーのえみりから。

「なんか運転する感じは私のガンコとおんなじ。でもグラチェロだからサイズがすこし大きいけど、運転はしやすいです」

などと感想を言いながら、スイスイと一般道の農道を走っていく。次に運転をオレと交代してみる。

「なるほど、アメ車感ありますね。このユルさがいい。僕も基本アメ車好きだから、好きなフィーリングっすね」

「その、アメ車感ってなんですか?」とえみり。

えみり

未来の弟、というわけの分からないことを言うDJえみり

「全体にゆっくり反応するでしょ?ハンドルを切った時とか、コーナー曲がる時のロールの動き出しとか」

「ええ。朝イチのジョンとは全然ちがいますね」

ジョン? 一瞬?? と思ったが、あ~MINIのJhon Cooper Worksか。と分かり、クルマにあだ名をつけるタイプのオンナのようだ。自分のチェロキーがガンコで、実家に置いてある日産180がトムというらしいし。もしかしたら痛いオンナなのかなぁ。と予測をしつつ・・・

「こういう雰囲気をアメ車感って言うんですね」とえみり。

なんか正しく伝わったのか少し疑問は残るが、まあ、いいか。

「編集長、運転しますか?」

「俺はいいよ」のつれない一言。

グランドチェロキーインテリア

グランドチェロキーインテリア。アメリカ流の豪華さがちゃんとある

 

フォルクスワーゲン

次はVWのベンチマーク2台。

「ポロをベンチマークって良く雑誌で書いているけど、これを超えるクルマは無いよ」

と編集長。

「そうなんですね」

「乗れば分かるよ」

で、さっそくポロ・ハイラインに試乗してみる。

「なんだろうこの安定感。真っ直ぐ走るし、ステアリングの反応も期待値通り。ブレーキのタッチもまさにリニア。すんげーなあ~フォルクスワーゲン」

「次のゴルフはもっとだよ」と編集長。

ゴルフGTIは約1年前にGTIが発売された時に、試乗会で乗って以来だから、少し感覚は忘れてきている。ゴルフもベンチマークとされるモデルで、その官能評価は忘れてしまうのはマズイ。

「VWがR社を創っただろう?そのスタッフはポルシェのスタッフだと言うんだよ。GTIとかゴルフRはポルシェが造ったようなもんだから、別格だと言うんだよな。このGTIの時はまだそのR社は無かったけどポルシェのスタッフが関係しているのは間違いないよ」と松本編集長のレア情報が飛び出した。

「ポルシェですか。この安定感凄いし、確かにハイライン、トレンドラインとはワンランク上の感じがしますね。それほど速度域の高くないワインディングでもリヤタイヤをしっかり感じさせてくるのは凄いですね。なんでこんな風に造れるんですかね?DSGのセッティングもステアリングのレスポンスも、ブレーキ、アクセル、申し分ないですね」

「私も運転していいですか」とえみり。

「どうぞ、どうぞ」

「朝イチで乗ったジョンとは全然違います」出た!このフレーズ。

「全然怖くないですね。この道どっちですか?って余裕で聞けます。ジョンを運転しているときは、早く言ってよ!って感じで焦って運転する感じだったんですけど、これ安心ですね」

とひどくお気に入りのよう。「私にはポロとかが本当は似合っているんでしょうね。でもグラチェロが良かったかも」っという結論で、お願いした5台全て、ぶつけることなく、警察のお世話になることもなく無事終了。お疲れ様でした。JAIAの皆さまには感謝いたします。ありがとうございました。

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