【読めるラジオ】第233回放送『メディア対抗ロードスター4時間耐久レース』
第233回
メディア対抗ロードスター4時間耐久レースと次期ロードスター展望
岩貞:さて、桂さん、今週は、われわれザ・モーターウィークリーチームも参加した、メディア対抗ロードスター4時間耐久レースの結果報告です。
桂:はい。。。ちょっと、ポリポリという感じですけどね(笑)
岩貞:改めて、このメディア対抗のレースをご紹介いただけますか?
桂:マツダのロードスターですが89年に初代が誕生したんですけど、マツダがFRの楽しいオープンスポーツカーでみなさんレースしませんか?と。普段、雑誌を作っている編集者だとか、そこにレーシングドライバーも混じって耐久レースしませんか? ということで始まったレースです。それが盛り上がり続け、遂に今年22回目ですから・・・あのね、ワンメイクレースでこれだけ続いているのって、ないですね。
岩貞:普段、編集部ってあまり横のつながりというか交流がないですよね。でも、こういう場でみんなで戦うというのは凄く面白いですよね。
桂:我々にしてみれば同じクルマで戦うわけで、イコールコンディションだからそれも面白いし、あとは編集部の人間にとってみれば、僕らがどうやって乗っているか?というのがタイムで如実にわかるわけですね。
岩貞:おんなじコンディションで、おんなじクルマですものね?
桂:だから、われわれが出しているタイムを「出してみろ」というのがどれだけ難しいか、どれだけ我々が偉いかというのが良く分かってもらって、非常―にいいことなんですね、これは。
岩貞:(笑)プロのレーシングドライバーとしてはどうだ?と
桂:そう、だてにギャラはもらってないだろう。と。
岩貞:そういう感じでおこなわれているんですね?
桂:ハイ。
岩貞:4時間耐久ということで、いろいろレギュレーションがあるみたいですね?
桂:当初は、そんな縛りはなかったんですが、これがレースを何年もやっていくうちに、どんどん、主催者側も頭をひねって、燃料は90Lにしようとか、そうするとレース終盤でガス欠になるんですね。あとは前年度の優勝者や2位、3位だったチームに対して60秒だったり90秒だったり、180秒や240秒のハンディキャップとして、ピットで止まりなさいよ、というルールがある。だいたい、筑波は1分ちょっとだから60秒止められただけで、ほぼ1周なんですね。だから凄いハンデになっちゃいますね。
岩貞:じゃ、逆に毎年、同じチームが勝つという状況にはなりにくい、誰にでも勝つチャンスが与えられているというレギュレーションですね。
桂:そう。ハンデをあたえられているにも関わらず、ティーポ・チームというのが何連勝もしちゃって、他のハンディキャップのないチームが、何で勝てないんだ? というので、ひと頃はティーポイジメみたいなのがありましたけどね。
岩貞:(笑)
桂:これなら勝てないだろうという、ハンデでも勝っちゃたりしてましたね。
岩貞:凄いですね。でもその参謀の中心にいたのが・・・
桂:そうなんです。われらが石井君だったので、それを引っこ抜いたのだから、さぁ、いいでしょう! ってね・・・
岩貞:では、今年は石井昌道さんを引き抜いてきて、ザ・モーターウィークリー・チーム、チーム名はチーム・モタモタですけれども、津々見さん、桂さん、石井さんと?
桂:あとはですね、ニスモの五十嵐さんと学生のジムカーナチャンピオンの西山君。この5人体制ですね。
岩貞:みなさんのそれぞれの走りはどうでしたか?
桂:え~実はですね、コンディションが台風の影響で、ドライでスタートしたんですけども、急に雨が降ってきたり、雨降ったと思ったら晴れたり、でも、なかなか乾かなかったりという条件で、今までにはないぐらい、目まぐるしく変わりましたね。
岩貞:じゃあもう、作戦をたてていくのが凄く大変ですね?
桂:そうですね。結果、ウエットということもあって燃費の厳しい部分がなくなっちゃったんですよ。
岩貞:じゃ、結構全開で走れた?
桂:そうですね、ガス欠で今年止まるということがなかったですね。燃費レースという意味はなくなったんですけど、ただ、路面が変わりに変わったのでいろんなことがおきましたね。
岩貞:みなさんは、どうな風におっしゃってました?
桂:まず、津々見さんはですね、スタートから50分間ギリギリまで乗ってもらったんですけど、予選が、言ってみれば僕が失敗しまして、14番手だったんですけど、14番手から津々見さんは着実に上がっていって4番手まで上がったんですね。ま、そこで僕と代わったんですけど、4番手に上がるまでに、前車には追いつくんだけど、早くブレーキ踏まれちゃうとか、タイミングをあわせるのが凄く難しかったと言っていたのと、50分間フルに走ったので久々にヘトヘトになったと。
岩貞:力を出し切ったわけですね。
桂:で、僕の番は、乗った直後に土砂降りになったりして、僕は滑るのは得意なはずだったんですけど、とりあえず、前にいたクルマは全部抜いたんですけど、唯一、後ろから追い上げてくるクルマがあって、それが土屋圭一だったんですけど・・・
岩貞:ドリフトキング土屋さん
桂:ドリフトキングがドリフトさせないで、うま~く前に進める術を見せていただきましたけどね。で、僕も50分近く乗って、水分補給が全然できなかったので、実はスタート前にトイレに行って出しちゃったんですね、水分を。次のドライバーが石井君だったので、とにかく飲み物飲んどけ、と。飲んでトイレ行かないで行け!と。水分いっぱい補給しておきなさいと、電話を無線代わりに使っているんですけど、それを伝えて、それで乗ったんですが、石井君も濡れた状況で、クルマをとにかくスピンさせないでコース上にいることが大変だった。って言ってましたね。
岩貞:で、最終的に結果は何位だったんですか?
桂:結果ですか?う~んなんかね・・・予選が14位なんで・・・
岩貞:予選14位って、プロの魂を見せつけてやるといった割には、今ひとつじゃないですか?(笑)
桂:そう、そうなんですよ。なめてました。あのね、去年まで乗ってたクルマとちょっと違うですね。それで予選一発だけでいいというので、予選だけ乗ったんですよ。練習しとけばよかったと思って。
岩貞:で、結果は?
桂:で、え~っと、12位です。
岩貞:楽しかったですか?
桂:滑るのをコントロールするのはFRらしい楽しさがあったので、ロードスターのいいところかな? というのがありましたけど、ええ、結果が結果だったので・・・はい。あ、それと、ちょっと言い忘れたんですけど、去年、このモタモタチームは3位に入賞しているんですよ。それで3位ということは120秒分のハンディキャップを背負ってまして、津々見さん4位まで追い上げたんですけど、2分間止まったので、僕は2分ぶんかぶって再スタートして・・・ま、結果ね、12位だから何もいえないけどね・・・
岩貞:ところで、桂さんメディア耐久レースはロードスターの耐久レースですけど、そろそろ次期ロードスターの噂も出てきているんですよね?
桂:そうね、雑誌等ではいろいろ話は出ていますけどね。
岩貞:どんな噂が?
桂:まあ、軽量化だ、小さいだ、大きいだ、と噂なので、どれも噂ですよ。
岩貞:ということですので、ここで次期ロードスターの開発責任者である山本修弘さんに、レースのとき桂さんが直撃インタビューしてくれたんですよね? ではお聞きください。
【マツダ株式会社 山本修弘氏 インタビュー】
桂:マツダロードスターの開発の山本さんに・・・こんにちわ。
山本:こんにちは。お世話になります。
桂:3代目(現行モデル)ロードスター、山本さん、ユーザーの声とか色々聞かれていると思うんですけど、この3代目ってユーザーはどんなふうに思っているですかね?
山本:そうですね。ボクは2代目、3代目とずっと開発してきたんですけど、特にこの3代目で今年の2月に歴代から90万台生産というのを達成しました。2年前にはロードスター20周年ということで、広島県・三次(みよし)では大きなパーティもやりました。こういった中でお客様からは、ロードスター造ってくれてありがとう、これからもずっと、こんな楽しいクルマを造り続けてくださいね、という声が励みになりますね。そう考えると3代目も随分と熟成されていましたけど、まだまだ、お客様が欲しがっている姿というのが先にあるし、僕達もそれを目ざして頑張って行かなければいけない、といった思いがますます募ってくる今日この頃ですね。
桂:ま~いろいろあるんでしょうけど・・・、 でも次に向けてというと、どんなことが言われていますか?
山本:これはずっと言われていることですが、「小さくしてね」「軽くしてね」というんですよ。それはみんなそう思っているし、われわれもそう思っている。でも、やっぱりレギュレーションの衝突安全に対応しないといけないのでね、幅で40mm、1円玉2枚分ほど増やしましたけどね、できるだけ小さくコンパクトにするということを絶えず心がけていながらやってますけど、お客さんの要求って凄く厳しいので、あ~自分達は一生懸命やっているけど、まだまだ足らないとことがあるなぁと、それを励みにしてやっていますね。
桂:じゃあ、次は、軽量化、コンパクト化がどこまでできるか? というとこですか?
山本:まあ、それはね、絶対に守らなければいけないところなんで、そこはブレないですね。そのうえで、それをどこまでやり切れるのか?というところと、その上で、どんな価値をお客様に、お客様が期待するものを我々が見つけて送り込んでいかなければいけないんじゃないかな? って思っています。
桂:今日はどうもありがとうございました。
岩貞:はい。ということですが、具体的にはまだ、話せない・・・ですか?
桂:だから、サイズの点では世界のクルマが衝突安全のことで大きくなっているし、VWゴルフだって幅が1800mmという時代ですから、やっぱり、そこを本当にコンパクトに小さくまとめたいんでしょうけど、そのせめぎあいなんでしょうね。で、まだ、いいたいけど言えないという感じ?話を聞く前に聞いていたので、チョット突っ込みの甘さはあるんですが、そういうことなんですね。
岩貞:(笑)これ登場時期も突っ込めないんですかね? だいたい何年後とか?
桂:まぁ~ねぇ、山本さんたちが苦労しているのに、余計なことを言っちゃって、会社側がそんなことまだ聞いてないってことにでもなるとエライことになるので、僕らはとにかく出てくれることが望みなので、そこは敢えて聞きませんでした。
岩貞:では、桂さんご自身としては次期ロードスターがどんなふうになるか予想というか、期待ですね?
桂:だいたいね、ボクは予測している雑誌とかありますけど、予測したからどうなの? というところがあって、期待としては今、山本さんが言っていたとおりで、やっぱりコンパクトで軽量というところと安全対策したうえでギリギリそこを達成して欲しいなって思ってますけどね。
岩貞:やはり、ロードスターの軸となる、走るたのしさ、これは貫いてもらわないと。
桂:うん、それはおそらくFRでいくでしょうから、あ!わかんねーか。ま、それも走りに関しては山本さんたちも凄く拘っているので、それはもう間違いないと思います。
岩貞:はい、凄く楽しみに待ちたいと思います。