【日産】EV普及の鍵を握る、100万円を切る新型急速充電器を11月より販売
日産自動車は2011年9月12日、現行の同社製急速充電器と同じスペックの性能を有しながら小型化し、かつ大幅に価格を引き下げた電気自動車(EV)用急速充電器の開発に成功し、11月から全国の日産部品販売会社にて販売を開始すると発表した。
新しい充電器のサイズは高さ184×幅38×奥行き66.5cmと、容積比で約半分のスリム化に成功。より小さなスペースにも設置可能となっている。
価格は現時点では発表されていないが、標準仕様は100万円を大きく下回り、ベース仕様は現行モデル(147万円=税込み)の半額以下という驚異的なプライスダウンを実現している。
今回の商品の特徴として、高い安全性能がまず挙げられる。車両と充電器本体を通信させての漏電監視などを行い、さらに各種安全装置を採用しているとのこと。出力は最大500ボルトで同社のリーフの場合、約30分で容量の80%の充電が可能だ。また、日本の自動車大手などが参画する充電インフラのCHAdeMO(チャデモ)規格に対応しているため、他社のEVにも充電できる幅を広げている。
日産のディーラー・ネットワーク以外にも、自治体や高速道路、ガソリンスタンドなどを有力な販売先として見込み、2015年までに国内で5000基の販売を計画している。ちなみにCHAdeMOと日産の調べによると、今年9月1日時点での急速充電器は全国で619カ所にとどまっている。数年前まで、急速充電器は300万円超と言われて設置費用も高額だったことを思うと、今回の新型急速充電器の果たす役割はきわめて大きいはず。将来的には米国や欧州での発売も予定している。