【ルノー IAA】欧州でのEV主導権を握るのは、実はルノーかもしれない
ルノーは今回のフランクフルトショーのプレスデー初日となる2011年9月13日、ビッグマイナーチェンジとなる「トゥインゴ」を発表した。フロントのヘッドライトまわりやグリルなどのデザインが一新されている。また、日産との共同開発となるEV4車種も出展した。
トゥインゴは新デザインアイデンティティの第1弾
このトゥインゴのフロントマスクはルノーの新しいデザインアイデンティティの第1弾とされ、今後は他車種にも拡大採用するという。さらに新型トゥインゴではパーソナル化路線を進め、豊富な着せ替えアクセサリーが用意され、自分の手でカスタマイズできるようになっている。
また、スポーツモデルのトゥインゴ・ゴルディーニも展示された。専用デザインのバンパーやリップスポイラーはF1カーのイメージを生かしたもので、インテリアも専用の装備が採用されている。
EVは欧州各国への導入に向けて着々と準備が進む
ルノーのもうひとつのハイライトは、日産との共同開発によるゼロエミッション(ZE)シリーズを展開していることだろう。EVとしては、トゥイッジー/フレンジー/ZOE/フルエンスZEという4車種を今回は出展した。
トゥイッジーは日産の「ニューモビリティコンセプト」として発表されている、2名乗車の超小型EVコミューターで、最近になり日産は神奈川県などで実証実験を開始している。そして、ZOEはリーフとほど同じクラスの2ボックスハッチバックのコンセプトモデルだ。
フレンジーはカングーをベースにした、家族に優しいMPV、商用車をテーマにしたEVコンセプトカーとなっている。ビジネスユースはもちろん、ファミリー用のMPVとしても使えるアイデアを盛り込んでいる。
助手席側がスライド方式の大型ドアで、出展モデルはドア外側には広告として使える37インチの大型スクリーンが埋め込まれていた。一方、運転席側のリヤド アは逆ヒンジで開閉し、センターピラーがないためワイドな開口部となっている。2列シートの室内はリヤシートと助手席が簡単に脱着でき、最大2250Lの スペースが得られる。
フルエンスZEは大型セダンのフルエンスをベースにしたEVで、2009年のフランクフルトショーでコンセプトカーとして出展され、2010年中頃からフランス本国で発売。今年年末にはヨーロッパ主要国での販売が開始されることになっている。
このようにルノーは日産と連携し、ヨーロッパにおけるEVの主導権をいち早く握るという意図を明確にしているように感じられる。ただしルノーは現在 のところ、急速充電の規格は日産(日本標準)のCHAdeMO(チャデモ)ではなく、ヨーロッパ方式の3相400Vを選択しているところが興味深い。