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【SAAB】サーブが会社更生手続きに着手。中国資本からの支援の可否が再建のポイントか!?



スウェーデンのサーブオートモビルは2011年9月7日、資金繰りに行き詰まったため同国の裁判所に会社更生手続きを申請した。サーブが会社更生手続きを申請するのはGMの破産以来2度目。サーブは3週間以内に経営再建策をまとめ、すでに合意しているとされる中国企業からの出資を待つ方針としている。

 

サーブオートモビルは2009年初頭、当時の親会社のGMの破産により生産がストップしたが、オランダの投資会社を基盤にしたスパイカーに買収され、生産を再開していた。それまで開発・生産してきた93、93X、95をラインアップ。2011年上半期には1万5000台を生産し、前年比48.6%増の3億6000万ユーロを売り上げたが、同時期の赤字は約245億円に達した。2011年3月頃から資金繰りに行き詰まり、4月5日に生産がストップ。従業員の賃金支払いも滞る状態になっていた。

 

ところがスウェーデンの裁判所は9月8日、サーブの会社更生手続き申請を却下した。申請書の再建計画に具体的な資金繰りの計画が記入されていなかったため、資金繰りの問題の解決や、経営を続けられるかどうかは不透明だと、裁判所としては判断したものと見られる。サーブは申請書に資金繰りを盛り込んだ上で上訴する方針だが、その一方で従業員組合や債権者が破産を申し立てる可能性もあるという。

 

サーブの再建計画は次のような経緯を辿っている。2011年5月にサーブの親会社のスパイカー社は、中国の華泰汽車の緊急支援を受けると発表したがこれは実現せず、その一方で同じ中国の長城汽車に支援を依頼したが拒否された。さらに5月末に、同じく中国の厖大汽貿集団の支援を受けることでまとまり、生産を再開すると見られたが結果として資金繰りは解決せず、従業員に対する賃金支払いが遅れることになった。

 

現時点ではスパイカー社では改めて、厖大汽貿集団(パンダ自動車貿易集団)と青年汽車と協議し、中国政府の承認を得てサーブの再建を図るとしている。

 

↑ サーブの工場の生産ライン。再開はいつ?

 

なお、日本における輸入元であるピーシーアイ株式会社に2011年9月13日に問い合わせたところ、現時点では発表できるコメントはないものの、在庫のあるモデルに関しては販売を継続しており、顧客サービスの面でも従来同様とのことだった。

 

 

サーブ 公式Web >>

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