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【読めるラジオ】第229回放送『ホンダ フィット シャトル』


第229回


実用車セグメントのすき間に投じたフィットシャトル&ハイブリッド

 

岩貞:さて津々見さん、今週のテーマはフィットシャトルです。こちらがデビューしました。

 

津々見:ワゴンスタイルの新型コンパクトカーですね。

 

岩貞:フィットシャトルというからには、フィットに荷物スペースができたモデルと考えていいですか?

 

津々見:ご名答。まさにそうなんですね。後ろを伸ばしたというか、全体に510mm伸ばして、後ろだけでなく、ハナも伸ばしてそして荷室が広くなって、大体、1.4倍くらいの広さになっていますね。

 

岩貞:もともとフィフィット自体も荷物を積みやすいクルマと言われてましたけど、それでもさらに広げてきた?

 

津々見:そうですね、奥行きが伸びましたから。リヤのハッチをあけるとズバッと向こうの奥まである感じで、これは積める!広い!って感じですね。それでゴルフバッグを4本積めるんですね、ですから、4人でゴルフに行くときなんかはそのままゴルフにいけるわけです。

 

岩貞:ちなみに津々見さんはゴルフはなさるんですか?

 

津々見:いや、ぜんぜんやらないんで(笑) 実はゴルフバッグっていってもよくわかんないですね(笑)

 

岩貞:津々見さんだと自転車じゃないですか?

 

津々見:そう、自転車がね、ガバッと積めるんですね。セカンドシートを倒すとそのまま積める。これはうれしいですね。

 

岩貞:フィットというとハイブリッドというイメージが強いんですけど、一応、ガソリンエンジンもあるということで今回も形式はふたつあるということですか?

 

津々見:そうですね。まさにフィットのハイブリッドバージョン、1.3L+ハイブリッドと1.5Lのガソリンの2種類があります。チョットびっくりしたのが、燃費がいずれもフィットと全く同じなんですよ。

 

岩貞:それは、どうしてなんですか?

 

津々見: ね〜、凄いですよね。それでよく聞きましたら、開発チームの人たちをガラッと変えたんですって。で、新しい人たちが入ってくると、「俺たちも頑張るぞ!」 というモチベーションがあがるわけですよ。本当に主査がおっしゃってましたけど、言ってみれば、乾いた雑巾をまた絞るんだと。主査っていうのは凄いなと思 いました。乾いた雑巾を絞れる能力があるんだ! ってびっくりしましたけど・・・・まず、エンジンを徹底的に調べてエンジンの小さなベアリングなんかの シールの抵抗を落としたっていうんですね。だから、ありとあらゆるフリクションを減らして、エンジンの燃費を上げた。それからボディは空力的に細かい点ま で徹底して開発した。そしてディスクブレーキの引きずりも全部なくした、という本当に、重箱の隅をつつくようなことで燃費を上げてきているんですね。

 

岩貞:空力はやはり、ものすごく効くといいいますよね。

 

津々見:そうなんですよね。これは自転車に乗ると良く分かるんです。ホント、低速でもクビをふっと下げると楽になるんです。自転車に乗ってから空力がいかに大切か良く分かりました。(笑)

 

岩貞:あの、一説にはハイブリッドカーのシルエットは、プリウスやこのクルマなども、似ているといわれていますけど、空力を計算していくと、あれがベストということになっていくんですかね?

 

津々見:だんだん、似ていくんだと思いますね。やっぱり、どんなものでも自然の中での流体、魚なんかもみんな似たような形をしてますよね。ですからそうなるんでしょうね。

 

岩貞:ちなみに、燃費の数値はどのくらいなんですか?

 

津々見:その燃費は最近JC08モードになってきていますから・・・

 

岩貞:10・15モードからJC08というようにやり方が変わってきましたね。

 

津々見:10・ 15モードというのはどちらかというと、実走行とちょっとかけ離れた状態でテストしていますけど、JC08モードはほぼ、実走行に近いハイスピードで計測 するんですね。それでいきますと、リッター26.0kmというのがハイブリッドなんですね。そして、1.5Lが18.6km。

 

岩貞:JC08モードで18.6kmということですね。

 

津々見:そうです。

 

岩貞:やはりいい数字が出てきていますよね。

 

津々見:いや〜、私は驚きますよね。というのはね、ノーマルのフィットにくらべて。ホイールベースは同じなんですけど、全長が長くなり、そして、ウエイトが約70kg重くなっているんですよ。にも関わらず、燃費がいいというのはさすがですね。

 

岩貞:さすが乾いた雑巾を絞って、絞って、(笑)

 

津々見:私は絞られるほうの身になってみると、大変だと思うんですけど、人間ってそうやってきたえなければいけないんですね。

 

岩貞:となると、このクラスのライバル達。これがけっこうドキドキしていると思うんですが、どのアタリが?

 

津々見:サ イズ感からするとカローラフィールダーとかウイングロードというあたりで、一般の人たちが普段使うクルマとしてはスペース的にはそうなのかなと思います。 あと、ちょっと小さいですけどラクティスとかトレジアがありますけど、ただ、パッと見ると私なんかはつい同じレイアウトでメカニズム的にはプリウスαか な? なんて思いますけど、でも価格帯がちがいますからね。1.5Lは確かに今のカローラなんかと勝負しますけど、ハイブリッドになるとちょっと違うスタ ンスで、ライバルがいるようでいないような、そんな存在で、ホンダさん、うまいとこ狙ってきたなと思いますね。まさに、このマーケットをしっかり押さえな いといけないですから、ガチンコの勝負でいくと1.5Lなんですが、ちょっと外して1.3Lハイブリッドは外しているんですよ。だからこの2段構え作戦、 これはなかなかたいしたもんですね。

 

岩貞:津々見さん、ではもう少し詳しく教えていただけますか?

 

津々見:まず、エクステリア見たときに、ハッと、なぜかかっこいいんですよ。

 

岩貞:なぜか?(笑)

 

津々見:なぜかというとね、今まで見ていたフィットなんですけど、なんかもっとカッコいいんですよ。

 

岩貞:なんか伸びやかになりましたよね。

 

津々見:そうそう、伸びやかになりましたよね。

 

 

岩貞:印象違いますよね。

 

津々見:そ うそう、ボリュームがあってね、よく見ましたら、ノーズが違うんですね。これは輸出仕様のUS仕様のノーズになっているということなんですね。だからね、 外人さんって鼻が高いじゃないですか。だから輸出用はハナが高いんですよ。でカッコイイ。なので、ホールベースが同じだから後ろが出っ張っているんです よ、出っ張っているにも関わらず、バランスがいいんですね。

 

岩貞:う〜ん。

 

津々見:決 してハナがつぶれて後ろが長いわけではないんです。ハナの分、後ろも延びているんです。この辺のバランスはさすがだと思いました。だから凄くうれしかった ですね。日本のデザイナーたちが凄く成長しているなぁと。これで海外のクルマに負けないクルマができてくるんだなと思いました。ある意味凄くうれしかった ですね。それでカッコいい。まずかっこ良さにほれましたね。そして、インテリア。これはもう見慣れたフィットそのままで、サイズもおなじですが、セカンド シートのバックレストが80mmほどもう少し寝ているんで、というのはフィットの場合は後ろがリクライニングできたんですけど、逆にフィックスされてリク ライニングができないんですけど、室内的なサイズは大きく変わっていないんですね。そして、あとは走り。走りはCVTだからできるワザだろうと思うんです けど、まず、ハイブリッドのほうはアクセルを開けて発進しようとすると、その時のトルク感、凄くゆとりがあるんですよ。

 

岩貞:あれは、ハイブリッドならではですよね〜。

 

津々見:モーターのググっと、いってくれるところね。

 

岩貞:もう最初のところお手伝いしますよ〜って。

 

津々見:あらよ〜みたいな感じで、だからアクセルをそんなに吹かさなくてもいいんですよね。あのお手伝いさんがいるお陰で、すごくリラックスしてすこしも気後れすることなく街中を一緒に走れますし、ゆとり感がありますね。だから、これはいいですね。

 

岩貞:特にああいう荷物をたくさん積むようなクルマは重くなりますから、出だしのよさというのはいいですよね。

 

津々見:さすがの指摘ですね。それでグーッとスピードが上がってくると、エンジンがサポートしてくれて、走りがなかなか良かったですね。

 

岩貞:では早速音声レポートをおききください。

 

 

【音声レポート】
津々見:私が 今、ドライブしているのは、フィットシャトルのハイブリッドです。ご覧のとおり大変静か。そして乗り心地もマイルド感があるんですね。走り出した途端、 あ!乗り心地がいいなぁって気がしました。ボディの剛性があがってそのためにマイルドな乗り心地にできたとエンジニアが言っておりました。さて、これから ちょっとのぼり坂に行ってみます。スロットを入れて加速を見てみたいと思います。

フルスロットル!4000rpm、5000rpm、そして6000rpmとグーンと5000rpmからエンジ ンがグーンと伸びてくれるんですね。発進のときはモータートルクでぐっと力強く出てくれます。そして、回転数があがってきて、エンジンが助っ人ででてきて さらに5000rpmぐらいになってくると、今度はエンジンのトルクがどんどん出てくるんですね、ですから低速から高速まで非常にシームレスにどんどん加 速してくれます。ま、これがハイブリッドの魅力ということがいえると思います。

このパワステが心地いいですね、電動パワステですが、油圧パワステのようにしっとり感があって、そして軽すぎ ず、重すぎずほどよい感じ、ちょうどこういったファミリーサルーンにぴったりの操縦性です。ピリピリとせず、シャープすぎず、それでいて決して鈍すぎな い。程よいところを狙っています。

そしてこのハンドリングも非常にナチュラルですね。ボディ剛性を上げたということもありまして、乗り心地がい いにも関わらず、リニアなハンドリングなんですね。いまちょっと高速コーナリングですが、すーっと気持ちよくコーナリングしてくれます。タイトなコーナー もスムーズですね。キレイに動いてくれまして、まるでスポーツカーのようにナチュラルで正確なハンドリングです。

 

 

岩貞:はい、津々見さんによるフィットシャトル・ハイブリッドの音声レポートをお聞きいただきました。それで津々見さん、燃費を上げるために、乾いた雑巾を絞ったというのがありますが、走りもいろんなところで、細かく調整されているようですね?

 

津々見: そうですね。ボディのシャシー剛性を上げていますから、まず、乗り心地がよくなっているんですよ。それからハンドリングもなかなか穏やかになっていて、こ れは意識的にハンドリングを少し穏やかにしているんですけど、そこがちょうど、ドライバーの感性にあっていて、おちついてリラックスして気持ちよく走れる という、ストレス感がないんです。そういったところも良くなっていました。また、いいなと思ったのは、ハイブリッドについているアイドルストップですが、 エンジンが停止するとき、ほとんどショックフリーで止まるんですね。

 

岩貞:かかったり、とまったりするときにあまりショックを感じない?

 

津々見: ほとんど感じないですね。でも低速になると勝手にポーンと切れちゃうんですね。10km/h以下になるとエンジン止まってるんですね。ですから、知らない うちにエンジン止まっちゃってる。それから、かかるときのショックも小さいんですね。だからそのへんも凄くストレスなくてよかったですね。

 

岩貞:ハイブリッドの良さをいろいろ教えていただいているんですが、1.5Lのノーマルエンジン、こちらのほうはどうですか?

 

津々見: これもね、なかなかいいんですね。トータルでみるとけっして悪くないんですけど、ただ、発進の場面だけとると、やはりハイブリッドのほうがいいかなと。そ れはモーターの助っ人分だけね。というのがあるんですが、それでも1.5Lにもたくさんいい点があるんですね。例えば、荷室なんです。荷室にバッテリーを 積んでませんからそれだけ、広く取れます。フィットに対してハイブリッドが約1.4倍くらいの広さなんですけど、1.5Lのほうは約1.5倍あるんです ね、それから4WDもあったりしますし、それから重たいバッテリーを積んでませんからやっぱりそういった意味では、操縦安定性もね、ナチュラルで素直な点 があるんでどちらもそれぞれメリットがあるんですね。

 

岩貞:これまでずっとレースシーンでご活躍されてきた津々見さんからすると、ホンダというとスポーツカーイメージだと思うんですが、今回フィットシャトル、お乗りになっていかがですか?

 

津々見:いやー私がうれしいのはホンダがモータースポーツで技術を磨いてきた、それがハイブリッドなどファミリカーのほうへ技術が生かされて、新しいホンダの世界が生まれてきている。そんな息吹を感じるんですよ。ですからとてもうれしいです。

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