第218回放送『新型Cクラス・クーペ 海外試乗会』
第218回
熟成されたベンツCクラスとCクーペ 海外試乗会
石井:さあ、今日はメルセデスベンツCクラスの話題をお届けします。じつは先週Cクラスクーペの国際試乗会があり、私、石井は桂さんと一緒に行ってきました。楽しかったですね。
桂:あの〜、クルマが生きますよね。スペインだったんですけども、カントリーロードを地元の人たちも140km/h、150km/h出してますからね。
石井:そうですね。で、街中に入るとキッチリ速度を抑える。このメリハリがしっかりしているんですね。あと、高速道路も飛ばしたい人は飛ばしていく。飛ばさない人は追い越し車線に入ってこない、というマナーのよさがあります。
桂:そうね。
石井: それで今日のCクラスは、日本ではセダンとステーションワゴン、これがビッグマイナーチェンジをしたばかりです。エンジンなども替わっているのですが、 われわれが乗ってきたCクラスクーペは欧州で発売されたばかり。日本にはおそらく年末ぐらいに入ってくるんじゃないですか。
桂:そうだろうね。
石井:ということで、今日は最新の話題をお送りします。
桂:そのクーペの最新情報ですが、エンジンに関しては国内でMCされたセダンとワゴンと同じ。
石井:そうですね。ですから、エンジンフィールでは、このクーペで感じたことが、国内のモデルにも共通するということですよね。
桂:はい。
石井:では音声レポートがあるので、早速お聞きください。
【音声レポート】
石井:今回のCクラスクーペに僕はビックリしているんですけど、桂さんはいかがですか?
桂:乗り味の良さと、ハンドリングの良さと、その絶妙なバランスがいいね。
石井:Cクラス現行が発売されたのは3年ぐらいまえでしたっけ?(2007年)。そのとき、アジリティコントロールというのを言い始めて、スポーティになったんですけども、ちょっとタイヤの大きいやつとかはゴツゴツしてたりしてましたよね。
桂:あった、あった。
石井:それがもう、まったくなくなりましたよね。このCクラスクーペは新しいクルマですけども、最初から熟成感がありますよね。
桂:あの〜、タイヤを見てわかったんですけども、スポーツコンタクト3(コンチネンタル)というのはCクラスが出たときに採用したタイヤだから、要するに、このタイヤを履いた最終的な仕様というか、完成系みたいな、というようなクルマですね。
石井:メルセデスは昔からシャシーがすばらしいといわれているんですが、これは真骨頂が味わえるなとという気がします。
桂:だから乗り味はメルセデスなんだけども、ハンドリングはBMWという感じなんだよね。
【スタジオ】
石井:今の音声レポートは一般道を走っていたときのレポートですよね。
桂:そう、クルマは直列4気筒のクルマでした。
石井:1.8Lの直噴で、さらにターボが付いている。最近メルセデスが進めているダウンサイジングターボのエンジンですね。このエンジンはこれまでもCクラスのセダン、Eクラスにも搭載されていました。ただ、5速ATだったんですよね。
桂:そうそう。それが7速に変わりましたから、え〜と、僕ちょっと計ってみたら、ローが50km/h、2速が90km/h、3速が150km/hでした。それを5速に照らし合わせると、だいたい10km/hずつローギヤード化されていましたね。
石井:なるほど。だから加速もいいし、でもギヤがいっぱいあるんで燃費もいい。
桂:そうそう、100km/で走っているときの回転数は逆に下がっていて、7速は1800rpmぐらいで5速は2100rpmぐらいでしたから。
石井: ラインアップを整理すると、この直列4気筒の1.8Lモデルが2種類。ターボのブーストの違いですかね? つまりパワーの違うのが2種類あって、もうひと つV6型3.5Lもあります。コレも大きく変わっているんですね。いままでセダンにあったV6型モデルは3.0Lだった。これが3.5Lになって直噴で リーンバーンになりました。いろんな技術が使われていて、パワーやトルクも上がったけど、燃費も30%ぐらいよくなっているという夢のようなエンジンでし た。
桂:あの〜、たぶんね、ライバル対策ですね。BMWのクーペ、アウディのクーペに対して。
石井:みんな燃費いいですからね。
桂:それと、排気量も大きいじゃないですか。
石井:今回3.5Lモデルも乗りましたけれども、どう感じました?
桂:僕はね、直4の軽さを最初に味わっちゃうとV6はちょっと重さを感じましたね。
石井:それはエンジンからのフィーリングですかね? それともハンドリングですか?
桂:両方。
石井:僕もね、V6には良さがあると思うんですけど、排気量も大きいし、NAだからツキがいいみたいなところがあるんですが。でも、なんかやはり1.8Lのほうが新しさを感じましたね。
桂:そう。だからよく小さい排気量で十分だという言い方をしますけど、そのスペインでワインディングをガンガン攻めたとしてもやっぱり1.8Lで十分だという感じがしたんですよね。
石井:イメージよりはずっと速いですよね。日本ではちょっと使いきれないくらいのパフォーマンスはありますね。
桂:そうね。ということは直4で十分だなということだよ。(笑)
石井:ただ、一方でAMGというのもありましたね。
桂:まぁ、ここまでV8型の6.2Lで凄いのを積まれちゃうと、これはこれでやっぱり別な世界でありだなという気がしますけどね。
石井:はい、それでは、この話は後半でお伝えします。
AMGモデル サーキットラン
桂:そう。さっき6.2Lといいましたけど、モデルの数字としては63なんですよね。これはAMGが初めてレースに出て、AMGというのを世界に知らしめるんですけど、そのモデルが63だったものですから、それに対してのオマージュ、尊敬ということですね。
石井:いわゆるヘリテイジですね。
桂:そういうことです。
石井:今も63という名前は受け継がれているんですが、最近、エンジンをダウンサイジングしました。5.5Lのターボですね。だいたいのAMGモデルがこのサイズになってきているんですが、Cクラスと、あと一番上のクラウスSLSですか。
桂:そう。もっともパワフルなやつね!
石井:ガルウイングのスーパーカー! あれとCクラスがNAに乗れるということですね。
桂:そういうこと。
石井:これはかなり、価値ありますよね?
桂:そうだよね、自然吸気の音のよさ、楽しさというところですかね。
石井:ま、そのへん音声レポートがありますので聞いていいただきましょう。
【音声レポート】
石井:さぁ、今度はサーキット試乗になります。C63AMGクーぺをスペインのサーキットで試します。
今回は先導車付き試乗なんで、まぁ、完全な全開というところまではいきませんが、見てた限りでは、かなり飛ばしてましたから期待できますね。
今、1コーナー! けっこうまわりこんでます。
ヨーロッパですどアクセルを踏むことができるのですが、AMGを試すには、やっぱり、こういうクローズドコースが必要ですね。
このスピードシフトMCTがいいです。
ちょっとまだコースが良く分かっていないんですが、要所・要所にコーンを置いてあるので、一応立ち上がりとクリップポイントが分かります。
あ〜ここ難しいなぁ・・・・・・
まわり込んだWヘアピンじゃなくて、二つのコーナーをひとつに捕らえていくと・・・・・・、出口がきつくなるから・・・・・・、攻めすぎてはダメと。
急にペースが上がってきました。 無言・・・・・・
【スタジオ】
石井:このサーキット試乗なんですけど、僕、先導車つきなんでそんなにペースが速くないと思っていたんですが、実はナメてたんですよ。
桂:あのね、向こうの先導車ドライバーの常で、後ろにピッタリついてくると、「あ、ついてきやがった! と」で、どんどん速度を上げていくのね。
石井:でも、彼らは無線を片手で持って運転しているんですよね〜(笑)。それでもかなりハイスピードで試乗できましたよ。
桂:ストレートで220kmでしたね。
石:ブレーキをガンと踏むと、シートベルトがグッと引き込まれるのがスゴイ。
桂:安全対策でね。ABSが効くくらいの強さでブレーキを踏むと、シートベルトをおもいっきっり、バシっと引き込んで、ムチで打たれたかと思うほど痛かったけど・・・・・・
石井:(笑) 僕も意外と苦しい・・・・・とか思って、そこから音声レポートができなくなりました。
桂:笑
石井:ところで、AMGだけでなく、Cクラス全体で、ハンドリングとかシャシー性能はどうでしょう?
桂: 最初に言ったアジリティという話で、Cクラスが出たときは少し硬い感じがあったんですけども、そこを4年経った?ことからも、サスペンションのチューニン グの仕方とかじつに、滑らかに、でもロールは抑えられていたりという相反する部分もありながら、良くなっていましたね。だから、非常の乗りやすくて、ハン ドルを切ればスッと曲がっていくという部分ではBMWが入っているし・・・・・・
石井:そそそそ、そうなんですよね(笑)
桂:乗り味の良さではメルセデスだし・・・・・・
石井:ここが面白いところで・・・・・・
桂:最近の欧州車はね。
石井:メルセデスとBMWはずっとライバル関係にあって、まぁ、BMWがスポーティ、メルセデスが乗り心地が良くて安全だというイメージだったんですけども、これがちょっと最近歩み寄っている? というと変ですけど。
桂:お互いにクロスしてきているね。
石井:そうですよね。ですから、Cクラスは少しBMW的になりました。で、最近のBMWは乗り心地がいいんですよね?
桂:そう、角を丸めたという感じ。路面からのあたりがやわらかくなりましたね。
石井:Cクラスの基本はメルセデスで、 乗り心地のよさ、あと遠くまで走っていっても疲れないとか、こういった良さがありながらも、ワインディングやサーキットを走ってもけっこうイケる。というとなんですかね?
桂:そう。それとね。やっぱりあのクーペというスタイルですよね。かっこいい。
石井:そうですね。日本ではいまひとつ受け入れらてないですけども、デザイナーの人に話しをお聞きしたら、昔からのクーペの形をしているじゃないですか。ローングノーズでショートデッキでと。だからコンサバですね? って聞いたら、違うとリアルクーペだと(笑)
桂:はははっは
石井:コンサバという言い方が気に入らなかったみたいですけど・・・・・・でも本当に、昔からあるカッコいいクーペ。このイメージにピッタリきますよね。
桂:そうそう、だからBMW、アウディにはあったんだけども、メルセデスにはこのサイズのクーペがなかったということで、まぁ、新たに導入したということですね。
石井:さぁ、桂さん早くも時間となりましたけど、Cクラス全体として どういう感想をお持ちですか?
桂:クーペはスタイルが新しいということもありますが、全体的に熟成感ですかね。
石井:クーペは新しいモデルですが、最初から熟成されてますよね。
桂:そう。やっぱりセダンで培ったものが投入されていますよ。
石井:あと、商品としてはインテリアの質感がグンとあがってますね。
桂:うん。もともと、メルセデスのインテリアのレベルはそんなに、気になってはいなかったけど、いろんなユーザーの声とかが反映されているんでしょうね。
石井:E クラス並み、それ以上の質感があります。そういった意味でもかなり魅力的な商品になりました。セダンは399万円から、ワゴンは419万円からで、クーペ はまだ値段が分からないんですけども、ワゴンぐらいじゃないかということでした。セダン、ワゴンはすでに発売さました。クーペは年末ぐらいには発売される んじゃないかということでした。ではまた来週。